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フランチャイズQ&A

フランチャイズ契約を締結する前に

  • Q1.フランチャイズチェーンに加盟する時の心構えについて教えて下さい。
  • フランチャイズ・ビジネスにおいては、いくら優秀な本部に加盟しようとも、商売に成功するかしないかの最後の分かれ目は、加盟店が努力するかしないかです。優秀な本部が完璧なシステムやノウハウを備えていても、それだけで商売が100%うまくいくとは限りません。
    もちろん、本部は加盟店が成功するように積極的に応援してくれますが、成功するかしないかは実際に経営するのは自分自身なんだという心構えがもてるかどうかです。それから一番大事なことは、家族の同意、特に奥様の同意を得なくてはならないということです。もし家族に一人でも反対の人がいたらフランチャイズチェーンに加盟しない方がよいでしょう。なぜなら、万が一失敗した時に家族の信頼を失って家庭崩壊を招きかねません。また、フランチャイズチェーンに加盟しても、事業が軌道に乗るまでに一定の時間がかかることが多く、「すぐに利益があがる」といった楽観的な見通しは持つべきではありません。
    事業であるからにはリスクがあることを十分に認識し、その対策を講じておくべきです。
  • Q2.フランチャイズチェーンに加盟する際の手順、留意点を教えて下さい。
  • 1.自己分析とフランチャイズ・システムの理解
    まず、自分自身を分析することから始めて下さい。経営者としての適性、やりたいことの明確化、経済的環境(収入・貯蓄・資産・借入金)、社会的環境(家族・親族など)などです。次いでフランチャイズ・システムをしっかりと理解することです。
    2.業種・業態の選択
    業種・業態別の情報を収集することから始めて下さい。収集した情報から業種・業態の将来性を見極め、成長性を分析して下さい。次にそのビジネスが本当にやりたいことなのか、自分自身の適性に合っているかを考慮して判断して下さい。
    3.本部情報の収集と絞り込み
    業種・業態が決まったら複数の本部の情報を収集して下さい。新聞・雑誌、インターネット、各種イベントなどで、かなりの情報が集められます。これはと思う本部からはパンフレットを入手しましょう。次いで事業説明会への参加など直接本部から話を聞く機会を作り、事業内容や加盟条件等について疑問点があれば納得がいくまで説明を受けましょう。最後は、本部から法定開示書面を入手して、その内容をよく検討して下さい。
    4.最終決断と加盟契約
    フランチャイズチェーン本部の絞り込みが終わったら本部担当者と直接面談してください。事前に収集した情報をもとに業績推移、業態の魅力度、成長性などを確認し、本部の信頼性を最終チェックして下さい。加盟店の権利・義務、責任はあいまいにせず、納得できるまで説明を受けて下さい。また、必ず一度は経営トップと面談し経営理念を共有できるかを確かめて下さい。 次いで本部が作成した資金計画、収支計画が本当に実現可能であるかをよく検討して下さい。本部の説明を鵜呑みにせず、既存の加盟者からも情報を入手するなど検討して下さい。
    これらを全てクリアできたら加盟契約です。契約は慎重のうえにも慎重を期して下さい。契約書はひとまず家に持ち帰り、最低一週間は内容を検討することが必要です(日本フランチャイズチェーン協会会員社の場合、契約書の説明後、契約までに7日間の熟考期間をおくことになっています)。疑問点は本部担当者に何度も尋ねて下さい。本部だけでなく第三者(専門家)の助言をうけることも有効です。全てに納得がいったら締結して下さい。
  • Q3.本部が出店予定店舗での売り上げ・収支予測を提示してきました。どんな意味を持つのでしょうか。
  • 売上・収支予測とは、特定の立地などで当該フランチャイズ事業を始めた場合、どの程度の売り上げがあがり、どのような収支となるかを予測するものです。売上・収支予測により、そのビジネスが成り立つか判断する資料とします。
    但し、売上・収支予測はあくまでも予測であり、本部がその売上・収支を保証するものではありません。フランチャイズ・ビジネスにおいて、事業リスクは加盟店が負うのが原則ですので、参考情報と考え、その妥当性については自身で検証するようにして下さい。

フランチャイズ契約締結時

  • Q4.加盟時に支払う金銭はなんでしょうか。
  • フランチャイズ契約締結の際に本部から加盟者に提供されるフランチャイズ・パッケージの対価として支払うものです。対価の明細としては以下のものをあげることができますが、本部により異なりますので、本部が開示する資料で必ずご確認下さい。
    1.契約時に開示するノウハウ
    2.商標等のマークの使用権
    3.立地調査にかかる費用
    4.開店前の研修・指導
    5.開店前・開店時の指導員の派遣
    6.店舗の構造・内外装についての設計・デザイン・管理料等
    最近は、加盟の意思表示をした段階で加盟金の一部を徴収する事例(加盟申込金)が増えてきており、契約に至らなかった場合の返還の有無を確認する必要があります。また、契約書に「いったん支払われた加盟金は、いかなる理由があっても返還されない」旨規定している例が多く見られます。
  • Q5.加盟金以外に支払う金銭には何がありますか。
  • 加盟金以外に契約時に支払うべきものとしては保証金があります。保証金は、加盟店が契約期間中に本部に対して負う各種の債務を担保するためのもの。契約終了時に加盟店の未払い債務を充当して残額があれば、終了後の措置が完了してから保証金が返還されます。
  • Q6.加盟後に支払う金銭には何がありますか。
  • 加盟契約後に継続的に支払う金銭にはロイヤルティがあります。ロイヤルティは、加盟店が本部から継続的に受ける経営ノウハウ、情報システム、商標などの使用料、スーパーバイザーから継続的に受ける経営指導などの対価として支払うものです。
    ロイヤルティの算出方法は、
    イ)売上金額に一定の比率を掛ける(例:売上金×●%)
    ロ)売上総利益に一定の比率を掛ける(例:売上総利益×●%)
    ハ)固定額(例:毎月10万円)
    ニ)席数や坪数に一定の比率を掛ける(例:一席あたり3,000円)
    などがあります。
  • Q7.法定開示書面と契約書の内容が違う場合、どちらに従うべきでしょうか。
  • 法定開示書面と契約書の内容が違う場合は、事前に気が付いたのであれば、当然その旨を指摘して確認すべきですが、事後に気が付いたというのであれば、特段の事情がない限り、原則として契約書どおりに合意したとされるでしょう。
    中小小売商業振興法では、フランチャイズ契約締結前に法定開示書面を交付して説明しなければならないとしていますが、法定開示書面にない事項が契約書に載っている場合も多いので、何よりも契約書をよく読むことが肝要です。
  • Q8.契約書は弁護士にみてもらった方がよいでしょうか。
  • 契約書の内容の理解の程度にもよります。内容をよく理解し疑問に思うことがないようであれば必要はありませんが、内容が理解できず不安が残るような場合は、費用がかかっても見てもらったほうがよいでしょう。
    専門家の力を借りて契約することを勧めます。契約書に使ってある用語の素人解釈は危険です。
  • Q9.立地の選定は本部が行ってくれるものですか。
  • 一般的に言えば、フランチャイズチェーンに加盟する場合には、加盟希望者自らが出店候補先(物件)を見つけてくることが原則と考えてよいでしょう。本部は加盟希望者が用意した出店候補先(物件)の立地調査を行い、出店の可否を判断します。
    もちろん、本部が立地の選定を行うところもあります。また、2店目以降の出店では、本部が加盟店と一緒に立地の選定を行うケースも見受けられます。
  • Q10.フランチャイズ契約を交わそうと検討してますが、契約締結後すぐにクーリングオフ制度は利用できますか。
  • フランチャイズ契約は、事業者間の民法上の取引契約にあたり、消費契約とは異なるためクーリングオフは対象外になります。なお、加盟希望者は契約締結前に契約内容を調べて、不明なことは本部担当者に必ず確認すること。
    もし、納得がいかない説明であれば契約しないという強い意志をもつことも大事です。
  • Q11.同業態2チェーンとフランチャイズ契約を結びたいと考えてます。一方を法人名で他方を個人名で契約することになるのでしょうか。もしくは両方とも同じでも構わないのでしょうか。契約の方法を教えて下さい。
  • フランチャイズ契約書には、「競業禁止」という同種事業の経営を行ってはならない条項があります。仮に法人の代表を別にして契約したとしても、契約者の関係が判明した場合、契約違反となり解除事由になります。
    したがって、どちらか一方のチェーンに絞って契約をしたほうがよいでしょう。

フランチャイズ契約締結後

  • Q12.本部のスーパーバイザーの指導が適切ではありません。どうすればよいでしょうか。
  • スーパーバイザー(SV)の指導が契約内容と照らして適切でないならば、本部責任者にSVの交代を申し入れるべきです。但し、「適切ではない」とはどういうことかを具体的に説明する必要があるでしょう。
    したがって、そのSVの指導内容を記録しておくと効果的です。「適切ではない」の原因が、SV個人の資質の問題なのか、本部のノウハウや教育体制の問題なのかも判断する必要があるでしょう。
  • Q13.思うように売り上げが伸びません。どう対処すればよいでしょうか。
  • 他の加盟店の売り上げが伸びているのに貴方の店だけが不振なのか、チェーン店の多くが不振なのかにより原因、対応策は異なります。前者の場合は、貴方あるいは貴方の店に問題があり、後者の場合は本部の責任が大きいと思われます。また、売上げの推移から、開業以来不振なのか、開業後は順調だったのにその後不振になったのかの把握も大切です。後者の理由は以下の通りいくつか考えられます。
    1.商品の品質が低下したため
    2.商圏内に競合先が出現したため
    3.顧客が商品や店舗に飽きを感じるようになり来店回数が減った
    4.顧客に対するサービスの質が低下した...など。
    この場合、貴方の店だけが不振なら、これらについて現状を洗い直し軌道修正を図るべき。まず、加盟店自ら売り上げの伸びない理由を考え、仮説を立て改善してみることが大切であり、その上で本部のスーパーバイザーに相談してみるとよいでしょう。
  • Q14.本部から契約書にない課金を請求されました。どうすればよいでしょうか。
  • 基本的には支払う必要はありません。但し、販売促進費や研修費等、契約書には具体的数値は明示されてないが加盟店の負担を取りきめた費用もあります。したがって、まず、本部に質問し
    1.いかなる名目で課金するのか
    2.一時的に納める金銭か定期的に納める金銭か
    を明確にしてもらうこと。本部が契約に基づいて加盟店から徴収する金銭は、法定開示書面に記載する必要があるので、契約書にも法定開示書面にも説明されていなかった事項について、十分な説明もなく課金される場合は慎重に対応する必要があります。
  • Q15.本部が経営不振(会社更生手続き等)になりました。その対応策を教えて下さい。
  • 本部の経営不振が続けばやがて倒産に至ります。「倒産」と言ってもその処理手続きにはいろいろな種類があり概ね以下のように分類されます。
    1.私的整理(裁判所が関与しない)
    2.法的整理(裁判所が関与する)
     (1)再建型(会社更生法、商法による会社整理、民事再生法)
     (2)清算型(破産法、商法による特別清算)
    再建型の場合は、事業の再生継続を目的としていますから、倒産手続きに入ったからといって、直ちにフランチャイズ契約が終了するわけではありません。原則的には、そのままのブランド、受発注・物流システムのもと営業が継続できると考えてよいでしょう。但し管財人や再生債権者は、不採算なシステムを大幅に見直し、取引条件の変更を迫ってくる可能性があります。また、営業エリアの見直し等により特定の加盟店に解約を申し入れてくることも考えられます。
    清算型の場合も、いろいろな見解がありますが、フランチャイズ契約が直ちに終了するとまでは考えられていません。しかし、遅かれ早かれ本部機能が失われることから従来通りの営業継続はできなくなり、単独もしくは他加盟店と共同で受発注・物流システムを構築するか、他の本部へ変更するか、当該事業をやめるか等の選択肢を検討する必要が出てきます。
    いずれにせよ、本部が倒産したとの一報を得た場合、裁判所や申立人に連絡して今後の手続きの流れについて十分な説明を受けて、保証金等の債権回収のために必要な届け出をもれなく行うことが肝要です。
  • Q16.私鉄沿線の駅前でCVSを運営、更新時期を迎えます。本部が同駅構内に競合店を出店しました。競合店出店後、売り上げは20%ダウン。担当SVにも確認しましたが事前の連絡はありません。今後、本部にどう対応したらよいでしょうか。
  • 契約書等にて、テリトリー権の有無、出店の際の事前に近隣の加盟店に連絡する旨の条項を確認したらいかがでしょうか。本部に対して「事前に連絡がなかったこと」「売上減との因果関係」をもって改善点を交渉したらどうでしょう。
  • Q17.CVSを3店運営しています。最近、本部から4号店目めの出店の打診を受けました。4号店目は3号店から約300mの場所に立地していますが、本部のシミュレーションを見ても収益的に低く出店を断りたいが、断った場合は他の加盟者に出店させる予定。いずれにせよ出店を止めさせることは可能でしょうか。
  • 本部の運営責任者と出店辞退に関する協議をされたらいかがでしょうか。また、近隣出店時に集客を確保するための方策を見出せるように対立することなく協議して下さい。
  • Q18.本部推奨商品と全く同じ缶コーヒーや飲料(販売期限内)を任意の業者から仕入れていました。担当SVから品質に問題があった時のことを考えて止めるように指摘され、仕入れを止めました。本部推奨のメーカー品であるのに「品質問題」を理由に仕入先を制限する本部の対応に納得できません。
  • 契約書に「本部の推奨する仕入先またはその他任意の仕入先から商品を買取る」旨の記載がある場合でも、加盟店の仕入先を本部推奨のみに制限しておらず、同一商品で有利な仕入れ条件を得ることができるのであれば、他からの仕入れも許されると考えられます。
    しかし、品質管理の難しい商品の場合は本部が仕入れを制限することは可能です。したがって、再度、本部に仕入制限理由である「品質問題」について納得いく説明を求めてはいかがでしょう。
  • Q19.当初契約した本部が買収され、新本部から新規契約書による再契約を求められ困惑してます。再契約した場合、不利益が想定されるので対処したいのですが、どう対応したらよいでしょう。
  • 現契約の期間満了まで約2年あるとのこと。再契約は締結せず現契約の満了まで経営すると文書で通告したらどうでしょう。また、同様の考えをもつ加盟店主らとも連帯して、変更により想定される不利益を文書で訴えることも必要です。
    なお、直営店での新方式による収益モデルの開示を求めてはいかがでしょう。win-winの関係になれるよう粘り強く交渉すべきと考えます。

フランチャイズ契約終了時

  • Q20.契約期間とはどのようなものですか。
  • フランチャイズ契約の期間は、10年以上の長い期間に亘るものや5年、3年以下の契約もあって、標準的なものはありません。わが国の場合は5年位が多いようです。
    契約期間の考え方は、加盟店が投下した資本を回収するのに必要な十分な期間を考慮して定めるのが通常です。
  • Q21.契約更新はどのように行うのでしょうか。
  • フランチャイズ契約の多くは、自動更新制をとっています。これは、期間が終了する前に一定の予告期間を置いて、どちらか一方が契約を終了する旨を通知すれば契約は終了し、その通知をしない時は自動的に更新されるという取り決めです。
    契約を更新するときはどのような手続きをするのか、更新料は必要かどうか、必要の場合は金額を確認して下さい。
  • Q22.契約はどういう場合に終了するのでしょうか。
  • フランチャイズ契約の終了で一番多い事例は、契約期間の満了です。しかし、本部と加盟店の両当事者の思惑通りに運ばなくなり、途中で契約関係を解消せざるを得ないこともあります。
    その場合、契約書の中に中途解約の定めがあれば、その定めに従って解約できますが、その定めがなければ、相手方に債務不履行がない以上、一方的に解約できないのが原則です。
    フランチャイジーから解約する場合、違約金の支払いが義務付けられているケースがほとんどです。ただし、当事者が協議し合意をすれば合意解約することができます。
  • Q23.現在加盟しているフランチャイズチェーンで身に付けたノウハウを利用して独立しようと思っていますが、できるでしょうか。
  • 一般的に、フランチャイズチェーンで身に付けたノウハウを利用しての独立は困難と思われます。多くの本部は、契約書に「競業避止義務」と「秘密保持義務」を反映しています。
    「競業避止義務」は、加盟店が現在加盟しているフランチャイズ事業と同種もしくは類似した事業行為を禁止するものです。「守秘義務」とは、加盟店が本部から提供を受けたノウハウや営業上の秘密がオープンにならない限り他に漏洩してはならないというものです。
    これら二つの義務は契約が終了した後も一定期間続きます。
  • Q24.解約してから1年半が経過。解約後は「不用品回収」を主とした仕事をしてますが、解約した本部から競業禁止違反である旨指摘されました。同本部との契約書には競業禁止(終了後3年間)の条項があります。どこまで拘束されるのでしょうか。
  • 競業禁止条項が契約書に明記されている以上は有効です。ただし、無条件に有効ではなく、
    1.期間
    2.類似業務の範囲
    3.職業選択の自由
    が問われます。便利屋=生活関連サービス全てで範囲が広いので、不用品回収業務が競業といえるかどうかは見解が分かれますが、本部が競業を行っているという訴えを起こす可能性があります。
    したがって、本部が確認できる媒体を使った宣伝は取りやめ、3年間は訴えられないように注意して下さい。

本部構築編

  • Q25.本部を設立したいのですが、設立に際してどのように考えたらよいでしょうか。
  • 本部を設立するには利益がでるビジネスモデルをしっかりと組み立てることが何よりも必要です。また、フランチャイズ・ビジネスを運営するにはヒト、モノ、金、情報、ノウハウ等の経営資源が必要になります。現状の経営資源の強み、弱みを分析し、弱い部分は補強を考えなければなりません。さらに、自社にとって最適な本部のタイプを検討することです。
    一般的には以下のように分類されます。
    1.ビジネスフォーマット型(パッケージ型)
    店舗開設・運営に関する必要なノウハウ、商品や原材料等を総合的に提供するもの。
    2.商品・原材料供給型
    商品流通により利益獲得を目的とするもの。
    3.開店指導型
    開店指導などの一時的な指導により利益を獲得するもの。
    4.機械提供型
    独特の設備や機械の使用権利を与えるもの。
    5.ブランド提供型
    知名度のあるブランドを使用させるもの。
  • Q26.本部に必要な組織とそれぞれの機能はどのようなものですか。
  • 本部に必要な組織もチェーンの拡大とともに変化していきます。設立時に最低限必要な機能を以下にてあげます。各機能を提供する組織が必要と考えて下さい。
    1.商品・サービス開発機能
    他と差別化されたユニークな商品(役務)、品質のよい商品(役務)を開発し、かつ適切な価格と販売方法を加盟店に提供できる機能。
    2.教育・訓練・指導機能
    加盟店に対して提供する商品やサービスを正しく理解させ、加盟店を指導(スーパーバイザー)するための人材を育成する機能。
    3.販売促進機能
    フランチャイズチェーンのイメージ向上や新商品の普及などの目的で各種の販売促進キャンペーンを実施する機能。
    4.情報機能
    加盟店に対して商品の販売状況や顧客動向、業界情報など適宜提供する機能。
    5.金融機能
    加盟後の運転資金、改装資金、リースといった資金需要に対して応じることのできる機能。
    6.経営管理機能
    加盟店自体の経営管理機能を本部が分担する部分を意味します。本部が分担することにより、加盟店が販売面に専念できる体制をつくることで効率を図ります。
    本部が加盟店の計数を一括処理することで必要な経営情報を加盟店に提供することができます。
  • Q27.本部構築の具体的なステップを教えて下さい。
  • 本部構築のステップは以下のようになります。
    経営理念の明確化⇒商標権の確保⇒直営店運営によるプロトタイプの確立⇒業務の標準化(運用マニュアルの作成)⇒加盟者への支援体制(教育・指導)⇒契約書・法定開示書面の作成⇒加盟店募集ツール作成
  • Q28.本部設立にはどのような経営資源が必要でしょうか。
  • 本部設立の際には「人」、「物」、「金」、「情報」、「ノウハウ」などの経営資源が必要です。このうち最も重要なのは「人」です。ノウハウを作るのも人ならば活かすのも人であるからです。自社の理念を理解し、高い志をもつ人材が多ければ多いほど困難な状況にも打ち勝っていくことができます。本部作りは人作りと考えていくことが重要です。
  • Q29.直営店運営によるプロトタイプの確立とは何ですか。
  • プロトタイプとは、成功したビジネスの原型です。つまり、フランチャイズ展開を行う上でのモデル店舗のことです。
    投資額や収益構造、取扱い商品・サービス、運営システム等を含んだ総合的なモデル構造です。モデル店舗を設置する場合は、最低でも3店、できれば5店以上の成功体験をもつことが必要といわれています。
    また、立地や地域の特性など環境によっても成功体験は変わってきます。そのため、1つの条件ではなく、いくつかの条件を設定したうえでビジネス成功の可否を検証することが必要です。
  • Q30.直営店をどの程度展開したらフランチャイズ化は可能ですか。直営店は多数あった方がよいですか。
  • 直営店の場合は、経営主体が一企業であるため、商品やサービスの標準化、パッケージ化などが明確にできていなくても展開が可能です。
    しかし、フランチャイズ展開の場合は経営主体が異なります。そのため、商品、ノウハウ、資金・人材、組織などのフランチャイズ展開の条件が揃っていなければ、直営店をいくら展開していても、フランチャイズ化を進めることはできません。
    フランチャイズ化の条件は、特色のある商品やサービスを開発しており、それらを販売するための特異な技術・ノウハウを直営店で実証していることです。また、加盟店に対してノウハウを伝授する手法を確立する必要もあります。
  • Q31.わが社の商品(又はサービス)をフランチャイズ展開したいのですが、可能でしょうか。
  • まず、御社の商品(サービス)が下記のフランチャイズ展開の条件にあてはまるかを確認して下さい。その上で、経営力、提供体制が整っているかを考慮して下さい。
    1.他と差別化されたユニークで新しい高品質な商品やサービスがある。
    2.商品やサービスを適切な価格と販売方法で1つのパックにして、加盟店に提供する能力やノウハウがある。
    3.競争条件や消費者ニーズ、市場の変化に即応して商品・品質・商品構成、品揃え、販売方法を変化させる能力やノウハウ等がある。
  • Q32.既存事業のフランチャイズ化を検討する際の判断基準を教えて下さい。
  • 既存事業のフランチャイズ化を検討する場合、法律上の制約、市場細分化による顧客ニーズの判定、競合状況などの売上、利益確保の可能性、将来性などを総合的に判断する必要があります。
    評価項目としては、下記のようなものが挙げられます
    1.契約期間中に正当で永続的な収益が確保できる事業か
    2.競合他社との差異性、独自性、革新性があるか
    3.類似業種、業態の出現可能性はあるか
    4.市場規模や永続性などの市場性はあるか
    5.ノウハウ伝達の容易性・システムの可能性はあるか
    6.ノウハウの永続性はあるか
    7.環境変化に合わせた新ノウハウの開発可能性はあるか
    8.ノウハウの社会貢献性はあるか
    9.ノウハウが法律や他社の権利に抵触しないか
  • Q33.商標登録の重要性について教えて下さい。
  • フランチャイズ本部が加盟店に提供するフランチャイズ・パッケージの主要項目の一つが商標(サービス・マークを含む)の使用権であり、加盟店が同一のイメージの下で相乗効果を最大に発揮できるための「チェーンの顔」となることから、商標登録および商標権の保持は欠かせない重要項目といえます。
    「商標」は商取引の対象となる商品やサービスについての標識であるのに対して、「商号」(「●●株式会社」「▲▲有限会社」等)は商取引の主体についての標識である点で異なっています。商号は法務局で登記することができますが、独占的使用権の範囲は登記した市区町村に限定されています。したがって、他市区町村で同一の名称の会社が存在しても、それを差し止めることはできません。
    一方、商標は特許庁に登録しますが、その効力は日本全国にまたがり、独占的使用権を持ちます。
    フランチャイズチェーンの場合は、展開エリアはひとつの地域ではなく、複数の地域での展開がほとんどで、場合によっては全国にまたがる場合があります。その場合、同業他者が既に自チェーンの名称を使用している場合、新規店舗を開設できない場合があります。無理に同一の名称で開店すれば訴えられる可能性もあります。したがって、全国どこでも独占的に使用できる権利をもっていることが、フランチャイズ本部が事業展開をする上で、最も重要なことということになります。なお、商標は使用する商品やサービス分類別に登録します。つまり、使用分類が異なれば独占的使用権を持たず、他者も使用できます。したがって、今後、使用する可能性がある、あるいは隣接または類似する商品やサービス分類についても、商号として使用する標識を特許庁に出願し登録しておくことが望ましい方法です。
    なお、「商標」の役割は、1.商品・サービスを識別する目印、2.商品・サービスの提供側にとっては信用を獲得し、維持する目印、3.消費者にとっては、自分にとっての価値を計るための目印となることです。また、「商標」は識別の対象により商品商標(有形の財の標識)とサービス・マーク(無形の財の標識)に分けられます。以前は、サービスに用いるマークを商標として登録することはできませんでしたが、平成3年の商標法改正により「業として役務を提供し、または証明する者がその役務について使用するもの」も商標として規定された(商標法2条1項2号)ことにより、サービス・マークも商標として登録ができることになりました。
    (但し、例えば、小売業に用いるマークは商標として認められず、すべてのサービスのマークが商標として認められたわけではない点に注意が必要です)
  • Q34.商標登録の手続きはどのようにすればよいでしょうか。
  • 【書類の作成と提出】
    出願の宛先は特許庁です。一つの出願につき一つの商標を出願することができます。但し、一つの出願で複数の区分に属する商品やサービスを指定することは可能です。
    なお、出願はオンラインによって手続きができ、各都道府県の発明協会に設置の共同利用パソコンを使うこともできます。従来の書面からも出願できます。
    ◆商標登録願(願書):願書には、出願人の氏名、名称、住所、居所、登録しようとする商標、指定商品(指定サービス)、商品区分(サービス区分)などの記載をします。
    ◆添付書類:商標見本、また必要に応じて使用による識別性を獲得した事実を証明する書面、指定商品(サービス)の内容を説明した書類等があります。
    ◆出願印紙代:基本料金6,000円+1区分ごとに15,000円を、特許印紙で納付します。詳しくは弁理士にお尋ね下さい。

    【方式審査】
    願書等の書類が方式不備であると、補正命令が下り手続き補正書の提出により方式完備と見なされると、自動的に次の実体審査となります。

    【実体審査】
    実体審査においては、1.人的要件、2.使用意思を有するか、3.識別力を有しているか、4.不登録事由に該当しないかの事項―が検討されます。
    実体審査の後は3つのパターンに分かれます。
    〔登録査定〕
    商標登録査定謄本が出願人のもとに届きます。送達後30日以内に登録料を納付すると、設定登録がなされ登録番号が付与されます。登録商標の内容は、商標掲載公報に掲載され、一般に周知されます。
    〔拒絶査定〕
    まず、拒絶理由通知書により理由が示されます。そこに記された拒絶理由を解消できないと拒絶査定が確定してしまいますので、出願人は通知書発送日から40日以内に対応をとる必要があります。
    〔公報掲載後に異議申立を起こされる〕
    平成9年より、権利設定後の異議申立が可能となりました。第三者が異議申立を起こすと特許庁より通知がありますが、審査官が審理してからの対応となります。
  • Q35.契約書を作りたいのですがどうしたらよいでしょうか。雛型はないでしょうか。
  • 近頃は、契約書の雛型も市販されていますので契約書の形だけを整えることは、比較的容易にできます。しかし、フランチャイズ・システムは多くの法規制と関連するので、市販の契約書をそのまま流用することは危険です。
    また、どのようなフランチャイズ契約書を作るかでその本部の将来設計が大きく左右されますから、本部は十分に検討する必要があります。フランチャイズ・システムに精通した弁護士に相談して、各種法規制や本部としての事業計画を正確に盛り込んだ契約書を作ることが望ましいでしょう。
  • Q36.加盟店に対するスーパーバイザーが果たす役割とは何でしょうか。
  • 店舗が本部の方針や指導、マニュアルに沿って運営され、加盟店が利益を上げるよう指導することがスーパーバイザーの役割です。言葉を変えると、店舗で起こっている問題や抱える課題をいち早く発見し、それを解決する方法を提案し加盟店のオーナーや店長がそれらの課題を解決できるように支援する、いわゆる店舗における医者的な役割です。そして、店舗運営における日常的な問題についてのカウンセラー的な面も必要とされます。
    具体的な業務は、訪店の前に本部で各加盟店のデータをもとに、店舗の問題点と解決策についての仮説を立てます。訪店時は、マニュアルに記載された事項やレベルについて、次のような項目をチェックします。
    1.品質管理、2.クリンリネス、3.コスト管理、4.サービスの品質、5.在庫管理、6.計数管理、7.労務管理
    これらについて改善を必要とする場合は、オーナーや店長を具体的に指導します。SVは、本部の方針や指示をきちんと説明し、加盟店に納得してもらう役割を担います。加盟店の力、オーナーの考え方や姿勢を的確に把握して、スタッフとして課題解決を図ることが求められます。
  • Q37.加盟者の選択基準はどう考えればよいでしょうか。
  • 本部と加盟者の関係は、契約まではお客様で、契約後はパートナーとして長い付き合いをする事になります。加盟者の選択基準は、
    1.加盟者には本部の経営理念なり経営方針に共感と共鳴をもっていただけること。
    2.加盟して自分で事業を始めたいと思う動機と自己責任意識が明確になっており、かつ何が何でも成功させるといった精神的な強さがあること。
    3.家族のサポートが十分に得られること。
    4.立ち上げのための費用のほかに必要最低限(半年分の生活費含む)の資金と良好な健康状態であること。
    5.何をやりたいかが明確になっていること、
    等々が要求されます。また、そのような加盟者(オーナー)を確保するにあたっては、開発担当者だけでなく、役員なり社長自らがオーナーと面談を行いオーナーの人物評価をすることが大切です。
  • Q38.加盟候補者との契約締結時の留意点は何ですか。
  • 契約後のトラブルを防止する意味で、契約締結時には次の点を特に留意して下さい。
    1.フランチャイズ契約書を加盟候補者に持ち帰ってもらい、熟考期間を与えて下さい。なお、協会では情報開示自主基準により、契約書説明後7日間以上の熟考期間をもつよう会員社に徹底してます。
    2.重要事項や加盟候補者からみた契約書中の不明点等は、理解してもらえるまで十分に説明して下さい。
    3.理解が得られにくいであろうと想定される用語は定義を明確にし、予め意味を十分に説明して下さい。
    4.こちらが分からない点はあやふやにするのではなく、分からないと明確に伝えた上で、調べた後に後日改めて文書で伝えます。
    5.自社にとって都合の悪い点を公表しなければならないことでも、隠そうとせずに事実をありのままに伝えます。
    6.契約書の内容が、法定開示書面と食い違っていたり、契約にいたるまでの内容と食い違いが生じないように注意します。
    7.加盟候補者の冷静かつ客観的な判断を損なうような言動は慎みます。
    (例:「あの候補地だと儲かることは間違いない」)
    8.契約の最終的な判断は加盟候補者の意思を尊重します。

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